222年:夏突入
農官の仕事にも慣れると、夏がすぐそこまで来ていた。
収穫祭の日は、限定の火酒ですっかりお祭り気分に。
ウーベルト君、釣り大会に向けてやる気満々だね。
さっそく誘われちゃった。
でも、私は早めに切り上げて神殿に行かなきゃ。
式に出なくても一応王太子だからね、こういう行事は欠かせない。
女性のエナの子役は、去年コンテストで選ばれたベティさんだった。
式典で会って思い出した、今日は父さんの誕生日。
ソフィア「白髪になって一気に熟年感が増したね」
アンドレス「はは、キングマトラを釣り上げる体力は残ってるといいんだが」
またまた、そんな事言っちゃって!
去年龍騎士になったばかりで、父さんはまだ腕の立つ現役の魔銃師でしょ。
釣り大会もいいけど、収穫祭のもうひとつの楽しみは、ウィアラさんお手製の料理とクジ。
仕事に向いてるだって。
農官に転職して正解だったかな。
料理を満喫した後も店内でのんびりしてると、視界の片隅でなにやら物騒なことが…
そうこうしているうちに夕方になり、釣り大会の表彰式。
私は毎年本格的に参加はしてないけど、誰が表彰されるのか気になって見に来てるの。
ウーベルト君も父さんも残念ながらランクインならず。
でも、お母さんの弟、ロレンツォおじさんが2位だった。すごい!
農官なってチカラがついたことだし、私も来年はキングマトラに挑もうかしら…
***
収穫祭が終わると季節は夏に。
9日はリリーちゃんの誕生日。
それからアーサー君の誕生日でもある。
二人ともおめでとう!
そして、この日なんと、もう一つ新たな命が。
リリーちゃんとジェルヴェ君の第一子、サバサバした性格のリュック君。
どんな子になるか楽しみ!