208年:不安
母さんとばあちゃんの試合は、母さんが勝利。
アンドレス「ばあちゃん、お疲れ」
イングリッド「ふぅ。やっぱりシルヴィアちゃんは強い…」
アンドレス「ばあちゃんも惜しかったんだけどね。ハヤサが一緒なんだから、ばあちゃんが先手を取って斬りこめば…」
イングリッド「ふふ。武道オタクな所、シルヴィアちゃんそっくりね」
ばあちゃんを倒した母さんはそのまま勝ち上がり、来年も騎士隊長だ。
イングリッド「見た?シルヴィアちゃんの最後の一撃!」
アベラルド「もちろん見ましたよ。やばかったっすね!」
試合後、父さんとばあちゃんが盛り上がっていた。
イングリッド「そうだ、アベラルド君。話したいことがあるの。アンドレス君には…」
アベラルド「アンドレス、もう暗いから家に帰ってろ」
なんなんだ?
僕の前では話せないことなのか?
納剣式の日、僕はばあちゃんに聞いてみることにした。
アンドレス「ばあちゃん、この前父さんと何話してたの?」
イングリッド「…」
アンドレス「ばあちゃん?」
イングリッド「ああ。ごめんね、ぼーっとしちゃって。なんの話だっけ?」
アンドレス「…ばあちゃん、大丈夫?」
イングリッド「大丈夫だよ」
そう言うけど、ばあちゃんの顔色は優れない。
やっぱり心配だ、頼りになる大人の人に相談しよう。
僕はある人に会うため魔銃師会に行った。
ダミアン・ワイルドさん。
母さんと友達で、話してるうちに僕も仲良くなった。
アンドレス「ダミアンさん。母も父も答えてくれないから、あなたに相談しにきました。実は祖母が…」
ダミアン「今言ったことは本当なのか?」
アンドレス「はい。ずっと元気がなくて、話しかけても上の空なんです」
ダミアン「…ご両親は、君に心配かけたくなくて答えないんだろう。僕から言える事はあまりないが、とにかくイングリッドさんのそばにいてやれ」
アンドレス「…分かりました」
なにか良くないことが起こりそうだ。
不安を抱えたまま、僕は新年を迎える。