221年:変化
朝早くから弟のアルノルフ君を叩き起こすリリーちゃん。
こんなカスタルディ家の光景も今日で最後。
何故なら、今日はリリーちゃんの結婚式の日だから!
お相手のジェルヴェ君は一人で感慨にふけってた。
一人暮らしには大きすぎるテーブルも、明日からはもう一つ席が埋まるね。
そして昼一刻…
おめでとう!
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ソフィア「式の時くらいメガネ外せばよかったのに」
リリー「お気に入りなの。ドレス、有難うね」
ソフィア「壮年服着ると一気に大人っぽくなるね。あれ、リリーちゃん、今持ってるのって…」
リリー「積み木よ。…ちょっと気が早かったかしら…」
ソフィア「顔赤いけど、照れてるの?可愛い〜」
リリー「もう、からかわないでよ…」
***
数日後、アーサー君の結婚式。
お相手のティルアさんは、笑顔の素敵な可愛らしい人。
アーサー君にいい人が見つかって良かった。
幸せになってね。
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いい事があれば、悪いこともある。
真夏の蒸し暑い夜。
王として国を導いてきたロイクお祖父ちゃんが、ガノスへ旅立った。
翌日の葬儀は、母さんが喪主を務めた。
お祖父ちゃん、ガノスでゆっくりしてね。
昼には戴冠式。
私も後方に並んで式に参加する。
誓いの言葉を述べる母さんを見ながら、私もいつか同じ事をするのかと思うと、柄にもなくプレッシャーを感じた。
私はお祖父ちゃんや母さんみたいに堂々と立てるかしら。