199年:飛び込み禁止
「ダンジョン行こうぜ!」
アベラルド君はすっかり探索にハマったみたい。
去年は私の方から誘っていたけど、最近はあっちから声をかけてくる事が多くなった。
あ!
ナタリーさんがいる!
滅多にないことだから一緒に探索するっきゃない…
「だめ」
「なんで?騎士隊の人と探索するとすっごく勉強になるんだよ?」
「とにかく二人で行くぞ!」
「…前から思ってたんだけど、アベラルド君って私の事好きだよね」
「はぁ?な訳ねーだろ!三人でも四人でも構わねーよ!」
チョロいんだから。
その後も一人で探索を続けて、汗を流そうと浴場へ向かうと…
アベラルド君、また臭くなってる。
「アベラルド君!」
「うわシルヴィア!」
ジャンプで入水!
「馬鹿か!危ねーだろ!」
「う、そんなに怒らなくてもいいじゃん!」
「お前のこと心配して言ってるんだからな!」
「…ごめんなさい」
「分かってくれたならよかった」
アベラルド君って、子供っぽいけど意外にしっかりしてるんだな…。